ご挨拶

木には命があります。そして、同じものは二つとありません。
その生命と向き合い続けることで、木を活かす為の加工技術や組みの技を磨いてきました。
木と向き合うことは、終わることのない仕事です。それが魅力でもあり、楽しさでもあります。
本物の素材を活かした本物の製品を、これからも作り続けていきます。

育ち100年、組み1000年。触れるほど奥深い木の魅力。

独立してはや18年も経過しました。それまでも和物専門の製材会社で、木の加工に携わってきましたが、この仕事が飽きることは一度もありませんでした。木はひとつひとつ表情が違います。そして、たとえ表面が痛み汚れたとしても、磨けば新しく生まれ変わる。そんな木の力強さとしなやかさに今も魅了され続けています。
何十年、何百年と育ってきた木を組むことで、何百年、何千年と残り続けるような、そんな製品を作りたいという思いと共に、木に触れられる仕事に喜びを感じます。製品として組まれた後も、木は呼吸し生き続けます。より長く使っていただけるよう、1000年続く本物のモノづくりができるように、1本1本の木と向き合い続け、製品としての命を吹き込む為の加工技術を、これからも研鑽していきます。

変わらない価値を守り、変わりゆく価値に応える

縁甲板(和物フローリング材)から始まった啓伸の仕事。特に無垢材は「本物」と呼ばれ、木の素材の味わいを楽しめる材質として、変わらず今も多くの皆様に愛されています。ただし、人々のライフスタイルは時代と共に変化します。住宅の過乾燥化、気候の変化、住環境そのものの変化など、材料としての無垢材、木に求められるニーズも、時代と共に変化していきました。

啓伸は、そのような木に求められるニーズに常に応えたいという思いから、材木の販売にとどまらず、例えば「ハイブリッド材」の開発や、加工技術を磨き西日本では屈指の木材加工の技術を追求しご提供してきました。
そして、本物の品質を守る為には、組み、仕上げまでも自社内で行うことが最良と判断し、高品質・高付加価値の玄関家具の製造に力を入れてきました。

木の変わらない価値と、求められるニーズに答える柔軟な姿勢は、これからも持ち続けていきたいと考えています。

木を知り、木の魅力を語れる者として

近年、木材に変わり様々な資材や材料が出ています。便利で低コスト、高機能な良い資材はたくさんありますが、時代のニーズと共に林業や製材所などの業界が衰退し、私達のような製材業の後継者も少なくなり、木の魅力を伝え、語れる人が少なくなってきたように思います。

木は日本人の歴史と共に生活に寄り添ってきた文化があります。私達啓伸は、日本の文化としての「木材」と、これからも丁寧に向き合い続け、木の魅力を語り継げる役目を果たし、次の世代に繋げていきたいと考えています。

仕入れ・販売だけではなく、自ら加工し組み、オリジナル製品を販売する材木会社は少ないですが、啓伸はこれからも本物のものづくりを貫いていきます。

木と共に    代表取締役 荒木 利治